2018年11月02日

元外野心得E仲間を返そう

6.お帰り作戦
 〜仲間を内野に返そう〜
 
さあ、ここからは更に高度な戦術と、より冷静なマインド、そして司令塔としての能力が求められる領域だ。実践するのは、本当に大変なミッションだ。

そこで、頭を整理する意味でもここまで現した元外野の条件を再確認してみよう。


≪元外野の必須条件≫

@冷静な判断力
A広い視野を持つ
B打たせる喜びを味わえるセンス
C内野アタッカーに気分よく打たせる
D戦局の分析 状況判断力

文章にするとこうだ。
内野アタッカーに気分よく打たせることで、決めればまるで自分が決めたかのように喜べる。

広い視野を持ち、戦局を判断し、最適なアタックコースを見抜き、そこに打ち込むサインを出し、決めてもらう。「ナイスアタック!いいぞ!エース!」と。

どうだろうか、元外野には様々な特性が備わっていないとならない感じもして、難しいイメージを与えてしまったかも知れない。
でも、よくよく見ると、たった一つの事を言っているように見えないだろうか。

そのたった一つとは、
「仲間と共に勝ちたい、という気持ち。それさえあれば誰でも元外野になれる!」と。そう聞こえてきませんか。

ここに上げた様々な条件はむろんドッジを通じて経験と共に獲得していくスキルであり、先天的な適性を表しているわけではない。適性のある子を監督が探したり、運動神経の良い子が見よう見まねで覚えてやるしかないなら、そもそも「限られた一部の人にしかやれない特別な場所」だ。

しかし私は『元外野は育てる事が出来る』という設定で長々書いている。ということは、たった一つ、好奇心あらばこそ。

ドッジが好きでたまらなくて、仲間と共に勝ちたいなら、君も元外野のプロになれる。と言いたいのです。なぜそう言い切れるか、なぜこんな難しそうな役割を誰もが果たせると断言できるのか。

それは、仲間と共に・・という条件をクリアしているから。
勝ちたい一心の子は多いし、それは個人の資質を伸ばす条件です。アタックにしろキャッチにしろ勝ちたい、という気持ちがあれば、決まるし取れるようになる。

ところが、元外野は判断力を求められる。かなりの範囲から何通りもの選択肢を瞬時に判断する。頭で考えては間に合わない、監督のサインなど待ってられない。感覚やとっさの動きだ。

その際、その子の本質が出る。とにかく勝ちたいのか、それとも仲間と共に勝ちたいのか。その差は微妙で区別が付きにくいが、大きな違いとなってゲーム展開を左右する。

仲間と共にいる元外野のチームと、勝ちたいだけの元外野のチームでは、勝敗、順位そのものを支配するほど大きな要因となる。

それがはっきり出るのが、外野から帰る動きだ。その中に、はっきり浮かび上がってくる。これは多少は先天的な適性も含まれるかもしれない。
が、小中学生のうちはまだ未知数なので、はっきりこれ、とは言い難い。だからやりたい子がやるのがいい、好奇心から出発しよう、ということにはなる。

ところがその好奇心というのがやっかいなもので、勝ちたい=決めたい、というマインドから来るものであれば、「仲間と共に勝ちたい」というマインドとは異質であり、個から来る欲求なので、やはり元外野の適性にはない。

端的に表れるのがアタック率だ。元外野をさせてみると、やたらと打つ、内野には打たせていない。(アタック率もさほど良くない)
一方内野に入るとアタックの精度が違う。こういうタイプは明らかに内野アタッカー向きだ。


では、仲間と共に勝ちたい元外野がいると、どうなるのでしょうか。
当たって外野に来た子がいる。その子を帰す事を当然考える。
その際、「仲間と共に勝ちたい」と思う元外野なら、真剣に帰そう、という働きをする。するとその為に練習したスキルを思い出し、やろうとする。
仲間と共に・・という意識が弱いと、帰れそうもない子をほっておいてメインのアタッカーだけでやり取りし、結局時間切れとなったり、焦り出す。

何人もの仲間が当たって外野に行ったら、どう思うか。勝ちたい、だけの一心だと、単純に外野から帰った方が「得」と考えて、我先に当てようとして取られ、また当てられて外野が増えることになる。

流れが悪いから沢山当たってきたのだから、仲間と共に勝ちたいなら、その子たちには、とりあえず声を出してもらい、わきへやって内野エースからの一本で流れを変えて欲しい、と、焦らずいつものように正確なパスを出し決めてもらう。
外野から「ナイスアタック!」という大きな声が響く、流れの変わり目が見える。

そこから「お帰り作戦」を展開する方が、決定率も高い。
勝ちたいという欲から焦るか、仲間の力で勝つ喜びを味わいたいのか。その差が
戦術面に現れる。

点差を考えれば、先に誰か最適な子を帰して、それから自分が逆転のタイミングで帰る。できればBSのBで。と、イメージして。その後誰かに外野を託しても、これで流れはもう大丈夫。と。「あとは頼んだぞ!」の声かけルーティンも忘れないで。

様々な攻撃パターンを知っていても、欲が先走ると判断を間違う。悪い例では、負けていて焦って当たったアタッカーが、まだ態勢が整っていないのに内野からのパスを受け、無理な態勢からサイド攻撃、避けられてアウト・オブ・バーンズ、相手ボール。点差は3点、残り1分。・・・もう試合は終わってます。

こうした自滅路線に入るのは、勝ちたいだけの欲で選択した結果です。習った戦術などすっかり頭から外れてる。仲間と共に勝ちたい、とは思えてない。

監督はそれぞれ考えをもって、練習中からパターン練習しているはずで、それをいざ試合で用いるには、日頃から仲間意識を育んでおくと、引き出されるというわけですね。その引き出しを助ける役目が、元外野であり、司令塔というわけです。

例えばこのケ―スでは「待て待て、まだ打つな!」と言って最悪を回避する。
その上で一旦は、帰す事を避けて、パスをつなぐ。ゾーンに一度通してリズムを作る。
サイドへのパスは、それてワンタッチとなりチャンスを潰す確率の高い戦術は、外野の動きに不慣れな子には任せず、負けパターンでは、自らサイドに飛び込み、ボール受け、展開する。など、自分がその攻めの主導権を握る。

野球で言ったらそうですね、「外野バック!一発あるぞ。内野はバックフォーム体制へ!」と言って後一点取られたら負け、という緊迫した場面で、最悪を防ぐ手立てを指示する、みたいな感じでしょうか。(外野バックで一発防止と内野前進守備とは矛盾していますが、一死満塁で4番ならゴロを討ち取るつもりで打たせ、ポイントずれても特大の外野フライで一点止まり、というシフトもあるのかな、と。一発あるぞ、と言っておけば打者をその気にさせるし、力んでくれたら、ラッキーと)


外野から帰す作戦を、勝山では、K作戦と呼んでいます。
動き方のシャドーも行い、身体に正しい動きを覚えさせる、ということもやっています。昨年指導した「αカウンターアタック」は、K作戦の展開の中に含まれます。
状況に応じて自在に操るヴァリエーション豊かなお帰り戦術、完成した攻撃システムなんです。あれもこれも教えている、のではなく、一つの型の派生形なんです。
が、成果が出ないうちに公表しても頭でっかちで絵になりません。というより図解にしないと分かりにくく、文字で公表しても意味がないのでここでは具体的な戦術理論の展開は控えます。


監督としては「みんなと一緒に勝ちたい。その喜びに浸りたい」そういう気持ちに、元外野の気持ちを引きだす。そういう役割があるという事になります。

そうして、この作戦で返したい、と思う前に、帰そう、帰そうと思うのも欲だから、そういう想いを消して、流れを読む、場に浸る?劣勢であることを冷静に受け止める、現状把握する(外野の子に点差を教えてもらうとかタイマーを言わせるとか)、外野の子達とコミュニケーションを図ります。

誰かが「俺がサイドに行くからサイン出して!」と言うかもしれない。
(あ、そうだ、仲間と共に、だった)と、本来の役割意識が戻る。

そういう空気になれば、ゾーンも見えてきます。
元外野の極意に繋がります・・・。



=Go the Distance やり遂げよ=
(つづく)
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2018年10月31日

元外野Dサイド攻撃について


5.元外野の動き方 応用
 〜サイドを有効に使おう〜
 
前項で、センターセオリー(縦パス中心の攻め方)の話をしたが、それに対してサイド攻撃とは何であろうか。まずその定義について自説を述べる。

サイド攻撃を定義する前に、サイドとは?から入らなければならない。
図で書けなくて恐縮だが、サイドを言葉で定義すると、こうなるだろう。

サイドとは、外野エリアのうち、内野角(サイドラインとバックラインの交点)と外野ラインの角(セットアップ時線審が立つところ)を結んで区切った線を境に、センターライン方向(3Mライン側)の外野エリアを指す。

と定義した。ポイントは≪斜めに結んだ線≫(これを仮にRラインと呼ぶ)。
ここからあっちがサイド、こっちがセンターと称して説明する事にする。
(アー疲れた、(笑)。ルールブックは戦術ノートではないので、審判のジャッジに必要なことしか書いてない。外野エリアをサイドと真ん中らへんとを区別する用語がないのも当たり前なのだ。ラインの名称さえあればいいのだから。
ドッジには野球やサッカーのような指導書が少なすぎるのだ。ブツブツ・・・。(笑))

ポイントは≪斜めに結んだ線≫(これを仮にRラインと呼ぶ)と書きました。
なぜポイントなのか。何故なら、元外野がサイドを使うか、センターセオリーで縦で攻めるか、その判断を決めるための分水嶺だからです。

この斜めのRラインから先はサイド攻撃、と内野も分かればその作戦に対処するために反応できる。縦ばかりで単調となったから、サイドを使いますよ。と外野の動きで内野アタッカーも助走なり体制を整えることが出来る。
そうではなくて、Rラインから内側に助走すればセンターセオリーをまだ続けますよ、クロス狙いに切り替えただけですよ、というわけです。

もっと言うと、Rラインを二等分した点を『リヴァイ・ポジション』と私は呼んでいます、その点から助走を開始し、どちらかへ展開する事になっています。やれば分かりますが、どちらに行くにせよ、理に叶った動きとなります。(お帰り作戦で詳述予定)

サイドを使うか、否か。全て元外野の裁量一つです。

さて、定義説明と名称紹介ばかりとなってしまったが、果たしてサイド攻撃の種類は一体何種類ほどあるのか。
私は10年前にチームを立ち上げて、息子が全国大会を見に行きたいというので、連れて行きました。僕も出たい!6年で絶対に行く!というので、3年の長男と5歳の次男を連れて毎年2回、見に行きました。中国ブロックと合計すると10回は下りません。

私の審判の師匠が横浜のアリーナで決勝戦の笛を吹いたのも間近で見ました。福岡の憧れの女性審判(Mさん)が決勝で吹いた時も見ました。県内のチームの応援も目的の一つでしたが、やはり息子と全国へ行くには全国のプレーから学ばないと、という事が一番の目的です。

そうして持ち前の研究心で戦術面をつぶさに見て、ビデオで確認し勉強しました。
何年間かそうしているうちに、チームによってカラーの違いこそあるが、基本戦術はある程度パターン化されているな、という事が分かりました。

その中でも仕掛けとしてのサイド攻撃には、色々な種類があり、それらをパターン化して図にしてそれを繰り返しやれば、出来そうなものもあるな、ということで、練習に持ち帰っては試してみました。

ほとんど長男たちは実験材料です。
ただ当てりゃいい、当たったら当ててかえりゃいいんだろ、という雑なチームは、ただ球が速い子が多くたって勝ち上がれません。適切な戦術と正しい指導が必要です。ですが、そんなことを教えてくれる人は周りに一人もいませんでした。そこで研究し尽くしました。

おおよそのパターン化が完成し、図にあらわしファイリングも済ませ、それを実現するための練習方法も編み出し、改良を加え、戦術名を名付け、サインを決め、子供たちに共有し、子供たちの適性に応じてどれを選ぶか指導しています。

サイド攻撃こそ、元外野が司令塔として機能するべき戦術はありません。
自分の考え1つでチームを動かす、勝敗を左右する。最も大変だけど最もやりがいのあるポジションです。

戦術面の資料が完成したのが4年前頃、それからというもの県内の研修会も始まり、ドッジ専門の本も出版され、ネットでも記事が増え、だいぶ環境は変わってきています、この10年の推移を見ていると、まだまだ普及発展するスポーツだな、と感じます。(私はそろそろ年齢的にバトンタッチの様相ですが・・(笑))

サイドラインと外野ラインとの交点を軸に、展開せよ。
さすれば、道が開かれよう。
またげ、飛び越せ、ショートカットせよ。
さすれば、サイド攻撃が素早く決まる。

頑張ってね、ドッジ界の希望の星。憧れのポジション。元外野君。


あれ?サイド攻撃の戦術パターンの紹介は?・・・すいません、図にして公開するやり方が分かるまでお預けです。
文字だけで伝えても限界なので、出し惜しみするわけではありませんが、申し訳ありません。

それに我がチームは今やセンターセオリー中心のチームに傾いています。年によって違います。サイドを多用した方が
いい場合と、そうでない時と。サイドを捨てよ、というゲームも結構あって、今ではテイクバック理論を実践して
クイックが決まる、連続攻撃を実現する、と、高速パス回しの必要なスキルの習得に力点を置いていますので、サイド
の記事がうまく書けません。

それと、元外野に必要な体幹トレーニングも着手しました。
先日、広島にて集合学習Cを受講してきまして、講師が全国優勝したチームの監督さんで、専任のトレーナー
に指導に来てもらっている、とのことで、早速その体幹メニューを練習に取り入れています。

必ずしも元外野に必要という講義ではありませんでしたが、元外野こそ必須の体幹プログラムだと実感しました。
パス回しが早くなればなるほど、直ぐにパスが来て素早く返してアタッカーにリズムのいいアタックを打たせねば
ならない、その球が抜けたらチャンスだから、狙いを澄ませて決めねばならない時もある。

元外野こそノーステップでさえも、全身を使った投げ方を身に付けないと腕投げになりやすく、故障しやすい。
右や左に投げ分ける為の細かなステップ(フットワーク)も要求される。忙しいのだ。それでもフォームを崩さない、
肘も下がらない体幹力。バネ筋(と私は呼んでいるハムストリングスのこと)、俊敏性・瞬発力。

一日投げ続けてもへっちゃらな身体能力を付けさせることに意識が向いているので、サイド攻撃の事は頭から
外しています。本当はサイドを使った戦術パターンは好きで、ファイル一杯に図解した資料を持っていますが、
封印中なのです。

複数のアタッカーがテイクバック理論を習得したら、サイド攻撃など応用に過ぎないから、パターンを修めるのは
難しいことではありません。何事も基本が大事なのです。

良くジュニアの早いうちにサイド攻撃を覚えさせようとする傾向にありますが、出来れば避けた方がいいですね。
私も失敗しましたが、真っ向勝負というか縦で攻めることを基本にしないと、変な癖が付きます。サイドに回り込んで
パスを出したり(時間の無駄)、自分で打って抜けたりします(もっと時間の無駄)。
サイドのリスクを理解せぬまま、やたらと使うと、ドッジ技能がそこで止まる気もします。テクニックは後回し、
正しいコースに正しいフォームで投げる事。真っ直ぐパスを出し正しく捌く事、と最近は思います。

サイドを使う子は、フォームを崩しやすい、というリスクも踏まえないとなりません。ボールが届かないから
サイドに行かなければならないなら、ボールを軽くして試合をすればいい。パスカットに取られることがいやで
サイドを使うとか、ふわパスを出さねばならない3年くらいの試合で、3号公式球を使う方がそもそも間違って
いる。指導側・大会主催者の責任だと思います。


話は逸れました。
サイド攻撃の戦術説明の前に、サイドの利点とデメリットの整理をしてから、改めて触れる事とします。
ありがとうございました。


=Go the Distance やり遂げよ=
(つづく)

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2018年10月30日

元外野心得Cセンターセオリー


4.元外野の動き方 基本
 〜センターセオリー〜

私はある審判対キャプテンのエキジビジョンマッチで、審判チームで外野に行った。
その時の話をしよう。内野に一人分の隙間があったので、腰を屈みながら、アウトのゼスチャーをして「通せ」のサインを出した。
どこのチームでもやっている際を狙う際の、あるいはカウントを落とす際の一般的なサインプレーだ。

ところが際を通そうと出しただけのサインにはまって、その子は手を出して当たった。(あれ?ワンバン通そうと思っただけなのに、ラッキー)。そういう経験をしたことはないだろうか。当てるつもりもないのに、相手が勝手に当りに(取りに)来てくれた、という。

上手なアタッカーは力いっぱい投げずに取りに行きたくなるコースを付いて、何人も当て続けるテクニックを持っている。こいつは手ごわいぞ、という相手だけフルパワー。

私はそもそも肩が強くないので、パワーで押しても取られることは分かっているから、抜いて次に打たせる戦術を旨としている。だからその時も、サインを出して抜いてもらって、隙が出来たら打とうかな、くらいに考えていた。

当てようと思うとど真ん中、抜こうとするとアウトを取れる。こうした心理や駆け引きをエキジビの体験を通して身をもって学び、子供たちには、「当てに行かずゾーンを意識して投げろ」と指導している。(それでも決めに行こうとすると真ん中に入るのは、アタッカー心理でもあり分かるのだが)

上のランクでは、ゾーンを通して崩すのは、当たり前の光景だ。

福岡に審判に行くと、アタックゾーンの通し方が上手すぎて、主審をしていて、カウントを落とすか、立てる本数を増やすか、見分けがつかないコースが多くて、選手から(え?)(また?)と顔をされて迷惑をかけた。つまりは、こうだ。
選手の方が定義した(この主審のアタックコース判定ラインはこの高さだな、よし分かった)というラインを次はパス、同じコースを次はアタックでは、攻めのリズムが狂いますよー、というわけだ(あい、すいません(笑))。

コートリーダーから「個人差は多少あっても構わないから、一度決めたラインはその試合では変えない事ですね」とアドバイスされた。その時だ。別の慣れたB級さんから
「一流になると、最初の1分で主審の癖をつかむらしい。アタックゾーンが分ったら、後半勝負に行く。あるいはその癖を利用して簡単にボールキープが出来るみたいですよ」。と。小学生でそんなバカな。そんな芸当出来るはずはない。と思いました。まだ駆け出し審判の頃です。
でもありました。というか、よく見るとみんな、そういう意図をもってやっている・・。
ある大会の決勝戦、1点勝負の3セット目後半。どちらも点を取ったらキープ合戦。

サイドの子の外側の際へ取りたくなるが取りに行ったら確実にこぼす、というアタックゾーンへのパス、じゃないアタックの応酬。
肩の下やや斜めのコースにずっとキープするパスを出し続ける技量たるや、圧巻です。
審判もレベルが高いので、甘く外れるとカウントに取られる(外側の足のボール2個分はパスという目安がある。ということはボール一個外に外れたらカウントとなりキープが苦しくなる)。
逆に少しでも内側に入れば、簡単に取られてしまう。手前にワンバンすれば引っかけられ、遠すぎたら高く浮いてゾーンから外れる。高さも幅も絶妙なコントロールが要求される。

一応練習では、アタックゾーンを(サイドなど)ワンバンで通そうと思った場合、腕より下のボール半分横に通すイメージで、大事なのは足元ではなく50センチくらい遠くに落とすイメージで投げると、取られにくい。と教えているが、なかなか遠近感のコントロールは難しいもの。

ともあれ目の前で同じ小学生がそれをミスなく連続してやっているので出来ない事はない。と、練習あるのみだ。
その試合、ビデオで撮ってよく見ると驚いたことに、サイドは一回たりとも用いてない、ということ。両チーム示し合わせたかのように、一回もない。
その集大成としてのサイド抜き合戦だったのだ。芸術の域に達していた。

その試合を一緒に見ていた同県のある監督と話したのは、レベルが上がるほどサイドが通用しなくなる。ということ。確かにそうだ。
縦で当てきる力がないから、サイドを多用する、それが通用するうちはそれでいいのでは。でも、上がると・・。という話だった。

サイドを主体とするか、縦で行くか。ここがチーム作りの考え次第。私も悩んだ。
そこで決めた方針が、『センターセオリー』。
勝山は正攻法、センターセオリーで行く。サイドは仕掛けとして使う。と。

呼び名はどこかにあったわけではないが、サイド攻撃に対して、どう呼ぶか教科書がないので勝手に名付けた。センターとは、縦パス中心で攻める、という意味。セオリーとは、それは基本だという意味。

その結果、県大会準優勝2回、ベスト4数回と、基本戦術の組み立て方は間違ってはいない、と思った。が、サイド攻めに対する練習はほとんどしてこなかった罰で、巧みなサイド攻撃に弱く、守備固めを必要としたため優勝はまだない。
サイド攻撃に備えるためには、サイドを上手く使える元外野による練習が必要だ。
ともあれ、縦の早いパス回しで攻める組み立ては、どう見ても主流であり、その要として元外野がいるのは、間違いない。

時間がない、早く逆転したい時にサイドばかり使っては間に合わないし、アタックが抜けたら相手ボールとなり、ボールキープされたら終わりである。
連続攻撃を可能とする、かわされても次がある、パスミスが少ない、外野の移動距離が短く消耗も少ない、内野アタッカーが思い切って打てる、などの利点があり、センターセオリー主体は揺るがないだろう。

デメリットとしては、パスカットに弱い、攻撃が単調になりばれやすい、パワーがないと反応されてキャッチされやすい、慣れてるからキャッチされやすい(タイミングを合わせやすい)が、それゆえサイドを混ぜる事で、攻撃の幅を広げる、という組み立てが主流となるのは理に叶っている。

ところで、センターセオリー(縦パス中心の攻め方)には、種類がないのか。

勝山では、2種類のパターンを組み合わせている。
1つは、中央突破。もう一つは、スーパーX。
中央突破は、サイドラインに平行にパスを出しあい、真ん中から相手の真ん中へ打ち込む正攻法。自信があるなら相手の守りの要を先に打ち崩す事で、気勢を制する。
スーパーXとは、両サイドに広く配置したアタッカーが、大きなクロス方向に打つ。左側のアタッカーは左利きだとクロスアタックが有効に働く。
縦と斜め、これだけでかなり有効な揺さぶりをかける事が出来るので、うまくいけば、サイドなど一切不要となる。

これが、先にご紹介した決勝戦の2チームである。サイドを一切使わず、元外野は行きもせず、中央突破とクロス方向(スーパーXよりややクロス)だけで3セットをやりこなしてしまう。上へ行くほどサイドは通用しない、まさにセオリーそのままの試合だった。


願わくば、そういう基本戦術を記した教科書を日本協会の方で制作してもらいたいものと思う。


=Go the Distance やり遂げよ=
(つづく)
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2018年10月27日

元外野心得B打たせる喜び

3.元外野の心得
 〜これを知れば、君も出来る!〜
 
ここでもう一つ、重要な資質・適性を明かそうと思う。それは、やはり野球からの引用だ。

またダイヤのAに戻るが、御幸一也は「ほんと、やっぱピッチャーにはワガママなやつが多いわ。だからキャッチャーは面白いんだけどな、ひっひっひ」と笑う場面があった。

エースとは孤独なモノで、「俺が決めなきゃ、誰が決める」という自尊心も重要な資質(メンタル)だと言いたいのだろう、だから我の強いワンマンタイプが向いている、その自尊心を損なわず上手く扱うのが楽しい、と彼はキャッチャーとしての適性を自認している、というセリフだ。頭がいいというかずる賢いというか、タヌキのような性格だ。(そういう子が元外野に向いているわけではない、念のため(笑))

さて、ここから導き出される答えは、当然の如く、野球のピッチャーに対して、ドッジのエースが相当する、ということ。
エースアタッカーはすなわち打つことが仕事、アタックを決めるかどうか、ただそれだけとも言える。内野での他の仕事は別として、ボールをもらったらやることは一つ。アタック。ただそれだけだ。

野球のピッチャーのように球種はない。吾郎のように「ストレート・オンリー」。時にガチャメや変化球に走る子がいるが、そういうやつは即アタッカーを下ろす。

真っ直ぐ助走して真っ直ぐ打つ、時にクロスに、たまには逆クロスに。
狙う相手やコースなど、元外野が決める。彼がいる辺りに投げ込めばいいのだ。
何も考える必要はない。パスカがいても、かわすか勝負するか、全て元外野が決める。その通りに投げて失敗したら、全部元外野のせいにすればいい。

そのくらい役割分担を明確にしておけば、心おきなくエースをやれる。
その方がメンタルの維持にいいに決まってる。ただでさえ、決まらなかったら次決めなきゃと力むし、負けていたら尚更力むし、時間がなければ、更に力む。

リラックスしていつものフォームで投げ続けるだけでも相当なメンタルだ。
コースや狙いなんて知ったこっちゃない。
エースはそのくらい粗削りでも通用する。「くそ、今度こそあいつをぶち当ててやる」くらいの我があっていい、でも二度目も絶対取られるから、元外野は(やれやれ・・)と冷静に、的を外すステップを行う。アタッカー心理も読んで、ターゲットやリズムを変える事も必要だ。

元外野は(おれが冷静にならなきゃ、ゲームが壊れるな)というメンタルが必要、エースは(俺が決めなきゃ)、というメンタルが必要。

ということは・・・。


≪元外野の必須条件≫
@冷静な判断力
A広い視野を持つ
B打たせる喜びを味わえるセンス

これらが必要不可欠な条件となる。
元外野が「俺が打ちたい!打って目立ってゲームを決めたい!」などと思ったらどうだろう。序盤に不用意なアタックを打ち、取られて一点をやられた。それでゲームを壊したケースは何度もある。

何で開始早々で外野から打つ?と叱ったことも。作戦として行うならいいが。
だから、


C内野アタッカーに気分よく打たせる

これが実は最も大事な条件だと思う。

外野からぼかすか打つなら、俺、いらないじゃん、とエースが腐ることにならないか、とも。外野が圧力をかけてきてラインが下がったり隙が出来てはじめて、元外野が攻めると有効なのだ。

一本のアタックチャンスで打つより大切なことは

D戦局の分析 状況判断力

これだと思う。この辺りは前項で詳しく扱ったからそちらをご覧頂きたい。

キャッチャーのように一人だけ逆の方向を向いていて、野球のように攻守の入れ替えの際は、体を休めて状況判断をするゆとりがある。

こうした利点を最大限生かして、5分間の流れを掴む。これが元外野に求められる資質であり、重要なミッションかと思う。

ゆえに、かどうか定かではないが、野球論では野村さんが好きだ。データ野球の比ではないが、私はアタック率をスコアラーに記録してもらい(最近では自分で付けているが)、アタッカ―の出来不出来をデータで分析している。
元外野は何本決めたかなぞ、評価の対象ではない、アタック率が重要なのだ。

加えて、どれだけ良いパスを出せたか。それは「N」という指標で表されたナイスパスというデータに残る。しかしこれがなかなか少なくて、困っているが。

外野からいいパスが来れば気持ちよく打てる。クイックアタックも増える、支配権が続く、BSアタックも増える。(BSについてはテイクバックシリーズにて)


◎元外野の心得
「ほんと、やっぱピッチャーにはワガママなやつが多いわ。だからキャッチャーは面白いんだけどな」と楽しめること。言い換えれば、
打たせる喜びを味わえるセンスを有すべし。内野アタッカーに気分よく打たせることで、決めればまるで自分が決めたかのように喜べるよう、心を鍛錬すべし。

これぞ元外野の心得である。

広い視野を持ち、戦局を判断し、最適なアタックコースを見抜き、そこに打ち込むサインを出し、決めてもらう。ただそれだけをするのに、なかなか時間がかかるのも指導のうちだ。


=Go the Distance やり遂げよ=
(つづく)
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元外野心得A元外野のミッション

2.元外野の役割【ミッション】
 〜元外野の条件とは!?〜
 
1.元外野とはの項で、野球で言えばキャッチャーのようなポジション。と定義した、というより例えた、ここから解説しよう。

ヒントは漫画だった。ダイヤのA。キャッチャー御幸一也(みゆきかずや)。
「投手をマウンドで輝かせるためなら、何だってするぜ。嫌われる事でもな」という一癖あるキャラクターの持ち主。
「相手チームも含めてグラウンドで試合中に、たった一人だけ違う方向を向いている。全てを見渡し、監督の代わりも務め、こんな面白いポジションは他にはないわ!」と、小学生では、地味で誰も見向きもしなかったキャッチャーに目覚めた。

これを見て私はピンときた、(そうか、ドッジでは元外野がキャッチャーなんだ。
監督の代わりに試合中采配を振るう、野球にはある作戦タイムはない。全て自分の判断で、毎回の攻撃を作り上げる。
元外野がボールを受けた時から、最後にアタックを決めるまで、いや受ける前から戦術を描いて試合をコーディネートする役割。

まさにキャッチャーが打者の癖を掴み配給を工夫するように、元外野も相手内野の隙を見抜き、そこを攻め崩す。
捕手が二塁けん制で一塁走者を刺すように、機転を利かせてカットマンを潰す。
駆け引きをしながらパスをつなぐ。強肩であることも捕手の生命線である点も元外野と同じ。

ピッチャーがもうダメだ、と判断したら、監督に告げて交代する助言も捕手の務め、ならば元外野もエースがダメなら、他のアタッカーを使って別の攻め方で崩す、サイドを使う、足を使う。二番手アタッカーならではの攻め方も用意しておく。

元外野は攻めの中心で、キャッチャーは守りの中心という意味では対極だが、ミッションは極めて似通っている、と思った。
際どいコースで、かすって当てさせる技も外野には必要だが、コーナーをついてバットを振らせるキャッチャーの如く、駆け引きも元外野の資質・適性に必要なのではないかと。


 〜誰でも元外野になれる!〜


こうした事を知って、面白そう!やってみたい!我が子に元外野させてみたい!
目指すはドッジ界の御幸一也だ、と野球で捕手を経験したお父さんが、我が子へ元外野教育を施す事も可能なのではないかと。

好奇心こそ、物事の出発点である。



2.元外野の役割【ミッション】
 〜元外野の条件とは!?〜

ようやく本題だ。最近よく、脱線する、思考の扱いに注意しよう。


条件というと堅苦しいし、適性というと、もともとの資質でダメな人がいるみたいだし、そもそも私は、エースも元外野も育てるものという価値観があるので、誰でも元外野が出来る!というスタートで、リストアップしてみたい。

題して、どんな子に元外野をやってもらいたいか。

これなら、主体的で、人材発掘しやすいかな、と。では始めて見よう!

元外野の役割【ミッション】条件、改め、

こんな子にチャレンジしてもらいたい!

1.好奇心旺盛な子

2.遊びを作り出すような発想の持ち主

3.友達とコミュニケ―ション取れる子

4.機転が利く子 柔軟な発想が出来る

5.困った時にも工夫して問題解決を図ろうとする子

6.回りをよく見て自分を客観的に見れる子

7.失敗をくよくよせず次に切り替えれる子

こんな子は、ドッジが上手い下手に関わらず、元外野が向いていると思います!

3つ以上当てはまる子がいたら、ご連絡ください!
ドッジの素人でも構いません、ゼロから手取り足取り指導します。

元外野の達人になれるよう育成プログラムをご用意しています。
チームを引っ張るリーダーとして楽しい思い出を残すことが出来ますよ。
ご連絡お待ちしています!

野球のキャッチャー経験者は即戦力、優遇します。
ドッジの元外野とキャッチャーと併用すれば、能力開花間違いなし。
野球しながらドッジもしよう。

なんて、チラシを作れるかもしれません。

ほとんど空想的です。が、元外野発掘に悩み続けた結果、このような着地点を見出したのは本当です。
野球で捕手の成り手が小学生に少ないのと、同じ理由、同じ悩みだと思うのです。。


=Go the Distance やり遂げよ=
(つづく)
posted by 触育士 at 15:34| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする